LPOのツールをプロのマーケターが徹底比較 | 価格と機能もまとめました
目次
LPOはツールなしでは実現しないって本当?
LPOを任されたそこのあなた! 最初に何から取りかかりますか?まずはLPOツールを使って数字を改善したいと考えたなら…正解です! ただししっかりと効果を出すためには、自社LPの課題を解決する最適なLPOツールを選定する必要があります。
LPOツールであればなんでもいいというわけじゃないということですね。今回は、改善したい数値別におすすめのLPOツールをご紹介します。まずは、LPOの手法からお伝えしていきますので、LPOに詳しくない人も安心してご覧ください。
LPOでの3つの手法をご紹介します
より効果的なクリエイティブを選択できるA/Bテスト
A/Bテストは、2つの比較対象物(Aパターン・Bパターン)を用意して、どちらの方がCVRが高いかを測定するWebマーケティング施策です。LPでいえば、キャッチコピーやメインビジュアルなどでA/Bテストを用いることが多いです。
A/Bテストを行うことで、2つのキャッチコピー、もしくは2つのメインビジュアルでどちらが高いCVRを出すかを比較することができます。小さな改善のように思えますが、この繰り返しがよい数字を出すためのポイントです。A/BテストはLPに限らず、Webサイトの効果改善でよく行われるので覚えておくとよいでしょう。
ユーザーの動きを可視化するヒートマップ分析
ヒートマップとは、ユーザーがどこまでサイトをスクロールしたか、どこをクリックしたかを色の濃淡で可視化できる機能です。簡単にいうと、天気予報における気温のグラフのようなものですね。
ヒートマップは①LPのどこがクリックされているかを調べる際、②縦長になることの多いLPがどこまで見られているかを調べる際、③LPのどの部分が重点的に見られているかを調べる際などに用いられます。
ヒートマップを活用することで、読んでほしい部分が適切に読まれているかをチェックすることができます。また、読まれず直帰されている場合、その原因を考えることでCVRの改善につなげることができます。
ユーザーの分析傾向から逆算する行動ターゲティング
行動ターゲティングとは、ユーザーの過去の行動履歴を利用して適切な情報を表示させる手法です。ただしこれを行うためには、ターゲットの性別や年齢をセグメントした上で、ターゲットに合わせたクリエイティブを準備しておく必要があります。
ターゲットに合う広告を出せるよう設定することで、CVR向上が期待できるでしょう。
LPの状態によって導入すべきLPOツールは変わってきます。
PVが多いならA/Bテスト優先で
先ほど紹介したA/Bテストは、トラフィックが少ないと優位性が出るまでに数ヶ月とかなり長くの時間がかかります。そのため、トラフィックが多いようであればA/Bテストを優先して実施しましょう。
クリエイティブごとに小さなA/Bテストを繰り返し実施することでCVRの改善が見られればLPOができているといえます。
直帰してしまう原因が分からないならヒートマップ解析で
もしアクセスログで直帰率が高くなっていれば、ヒートマップ解析を行いましょう。例えばしっかりと読んでほしいボディコピーが読み飛ばされているなど期待どおりにサイトを閲覧されていない場合は、ボディコピーにたどり着く前に訪問者が興味を失っている可能性が考えられます。
クリエイティブやレイアウトを修正してこちらも前後の比較を測定し、改善を図ってみましょう。
上級者向けのLPOなら、行動ターゲティングツールで
こちらは流入キーワードやGoogleアナリティクスのユーザー属性を確認することになります。あきらかに異なるセグメントで同時に一定の流入があった場合には、セグメントごとに適切な情報を表示させることで、さらなる改善が期待できるでしょう。
無料のLPOツールをご紹介
まずはLPOツールがどんなものか試してみたいという方向けに、無料で使えるLPOツールを紹介します(2020年8月現在)。
無料A/BテストならGoogle オプティマイズ
Google オプティマイズは、Google アナリティクスのようにGoogleが無料で提供しているテストツールです。
https://optimize.google.com/optimize/home/
無料でありながら豊富な機能を実装しています。
Google オプティマイズの特徴
URLを変えずにA/Bテストを行うことができる
例えば同じ広告文に対してクリエイティブのA/Bテストを行いたい場合、LPOツールがないとクリエイティブごとにURLを生成する必要があります。ですが、Google オプティマイズを利用すれば同一のURLでA/Bテストを簡単に実行できるという大きなメリットがあります。
コーディングの知識が無くてもOK!
HTML/CSSのコーディング知識がなくてもクリエイティブの差し替えが簡単にでき、アップローダーを経由することがないので、サーバを管理するシステム担当者に毎回申請や依頼をする必要がなくなります。大手企業になるほど恩恵を得られる利点でしょう。
多変量テスト、リダイレクトテスト、詳細な目標・ターゲット設定もできる
多変量テストは一度に複数の要素を検証するのができるので、もっとも最適な組み合わせを見つけ出すことができます。リダイレクトテストは、A/Bテストのような小さな比較ではなくLPを大きく変更したときに効果の変化を見るものです。
また、属性テストも可能です。テストを発動するURLを指定してそこにユーザー属性(URLパラメータ/デバイス/流入元URL/ブラウザ・OS/国・都道府県・市区町村/Cookie/DB上の値/JabaScript変数)を指定することで、特定の属性にテストを実施することもできます。
無料でありながらここまでのA/Bテストを実施できるのって感動しませんか?
無料がゆえのデメリット
初期登録に時間がかかる
初回の登録時は、「アカウントとユーザーの管理」「テストの作成」「Google アナリティクスへのリンク」「オプティマイズプラグインのインストール」など設定項目がたくさんあり、自分ひとりでは完結できず、例えばGoogle アカウントの管理者なども関わることがあります。社内でこれらの作業に詳しい人に協力を仰いで済ませてしまうのが早いでしょう。
登録できるアカウントが1つのみ
1つのGoogle オプティマイズに紐づけることのできるGoogle アナリティクスは1つのみです。基本的にはこれで事足りるので、それほど大きなデメリットではないかと思われます。
Google オプティマイズの具体的な活用例
CVRが低いときに、ボタンのカラーと形を変えて目に入りやすくすることで、CVRが高くなった。
A/Bテストでボタンのデザインを分けて、CVRの変化を検証した例です。LPOツールを使えば同じURLを使いながらボタンを変えるだけでテストを実施できますが、ツールを使わない場合、検証は相当に大変です。
無料ヒートマップ解析ツールならUser Heat
User Heatは月間30万PVまで無料で利用できるヒートマップ解析ツールです。リスティング広告などを実施していてトラフィックが多い場合は分析の難易度が上がるのでご注意ください。
User Heatの特徴
ヒートマップは完璧
ページのクリック箇所・マウスの動き・閲覧場所・離脱エリアといった基本的なヒートマップ解析機能を無料で使用できます。
上述した機能がヒートマップ解析で見る基本的な部分ですが、これらをすべて無料で使えるという、太っ腹なツールです。おそらくこのツールさえあればヒートマップ解析のほとんどは完結できるのではないでしょうか…。
無料のうちにツールのよさを知ってもらって、トラフィックが多くなっても使い続けてもらうというモデルなんでしょうね。
スマートフォンサイトの解析も可能
ボタンひとつでPC/SPのサイト表示を切り替えてそれぞれのヒートマップを確認できます。最近はスマートフォンからの流入も軽視できませんので、アクセスログから流入ユーザーのデバイスを確認しつつ、適宜ヒートマップ解析を行っていきましょう。
無料がゆえのデメリット
・30万以上のPVがある場合は有料
とはいえ、30万PVというのはかなり予算をかけてリスティング広告を打つなど、最初からこの数字を叩き出すのはよほど大きなLP案件になるかと思われます。念のため広告施策についても確認しつつ、LP立ち上げ時などPVがそこまで多くないときに利用することをおすすめします。
User Heatの具体的な利用例
見られていないコンテンツを整理できる
LPの後半がほとんど閲覧されていないときに、キャッチコピーからリードコピー、ボディコピーの流れを整理することでLP下部にしたボタンのCVRが改善された。というのが一つの例です。
ヒートマップ解析でページ下部が冷え切っていた場合の施策ですね。簡単にいえば「訪問者が途中で読むのを諦めてしまった」という状態が原因として考えられるので、飽きさせないページ作りを試みましょうという解決策が考えられるわけです。
まずはSitestで無料ヒートマップを試してみよう
Sitestは有料ツールなのですが、ヒートマップツールは無料で使うことができます。また、最初の7日間はABテストといったあらゆるサポートの無料トライアルを利用することができます。User Heatで物足りなくなったときに、比較ツールとして試してみるのがよいでしょう。
Sitest の特徴
ヒートマップ解析ツールは無料で利用できる
ヒートマップでは、マウスの位置をリアルタイムで計測し、ユーザーのマウスの滞在時間ごとにヒートマップを生成する機能がついています。特に面白いのが、LPにこの機能のデモがあり、何故か「水着の女性」の写真なのがポイントです。
国産ツールでUIがわかりやすい
この手のツールは海外産でなかなか理解できないことが多いのですが、国産で日本人にとってわかりやすく作られているため、使用方法を直感的に把握することができます。地味にとても有用だったりするので、ツール選定の際は押さえておきましょう。
A/Bテストや行動ターゲティングも一括サポートしています
A/Bテストや行動ターゲティングまでサポートしているので、有料ツールを選定するときにSitestですべてまとめてしまうというのも手でしょう。
サイフに優しい料金体系
月間20,000PVまでは8,500円(税抜)と、個人事業主の方でも利用できるリーズナブルな価格設定が嬉しいですね。
無料の行動ターゲティングならGoogle アナリティクス
https://www.google.com/analytics/web/?hl=ja
Google アナリティクスは言わずと知れた無料アクセス解析ツールです。無料でありながら主要な機能はほぼ網羅しており、初心者から上級者まで幅広く使えるツールです。
Googleアナリティクスの特徴
アクセスログの閲覧と解析
Google アナリティクスは無料ツールでありながら、これ1本で済んでしまうのではないかというくらい網羅的にあらゆる数字を計測することができます。LPに限らず本体サイトと合わせてアクセス解析ができるというというのもポイントで、本体とLPとでユーザー属性を比較しながら施策を打つこともできます。
より高度な分析を必要とする場合は有料のアクセス解析ソフトを導入することになりますが、Google アナリティクスを最大限に活用した上でまだ足りない場合ということになるので、よほどアクセス解析に長けた人材が社内にいない限りGoogle アナリティクスで事足りるでしょう。
Googleが収集したデータに基づいて訪問者の属性を解析できる
訪問者の性別や年齢、居住地域、興味・関心などは本来アクセス解析ツールだけでは推測ができないものですが、Googleがこれまでに収集した超膨大なアクセスログから、ユーザーの行動を解析してかなり高い精度でユーザーの属性まで解析できるという強みがあります。
この属性でユーザーをセグメントした上で行動ターゲティングの施策を行うこともできるので、少し難しいですが担当者は理解しておくとよいでしょう。
無料がゆえのデメリット
問い合わせがフォーラム対応
カスタマーサポートセンターのようなサポートがないので完全初心者が機能を把握するには時間がかかります。
Google アナリティクスの機能に不明な点がある場合、基本的にはヘルプページやフォーラムを活用して解決することになります。有料ツールではサポート体制が充実しており社内で解決できない場合にも安心なのですが、Google アナリティクスは原則、自力でどうにかするほかありません。
基本的な使用方法は市販の書籍やまとめサイトで解決できますが、より高度な利用方法になると得られる情報も減ってくるので注意が必要です。
更新が多くて迷子に…
更新が多くバージョンが変わるとUIが大きく変わったりするので戸惑うことも。
Googleの提供するサービス全般にいえますが、バージョンが変わるとUIが突然変わって、「これまでここにあった機能がなくなってる!」「よく探したら別のところに移動してた…」ということが本当にしばしば起きます。ネット上の情報はすぐに古くなるので、公式からの情報をまめにチェックしておきましょう。
Google アナリティクスの具体的な利用例
過去訪問履歴から分析・CVR向上
過去の訪問履歴からLPでの表示要素を変更することでCVRを向上させたという例があります。
すでに自社サイトを訪れてサービス内容を知っているであろうユーザーと、まったく新規のユーザーとで表示内容を変えるという施策が打てます。
サービス内容を知っているユーザーへはサービスの利点よりサービスを利用することで得られるベネフィットを打ち出して、未知のユーザーへはサービスの利点を強く訴求するなどですね。
有料のおすすめLPOツールも紹介します。
世界8,000国で利用されるOptimizely
https://optimizely.e-agency.co.jp/
世界的に利用されているA/Bテストツールです。Optimizely創業者のDan Sirokerは、2008年の大統領選挙運動でオバマ陣営の分析ディレクターを務め、A/Bテストを駆使して選挙運動の収益を1億ドル以上アップさせたことでも有名です。
Optimizelyの特徴
ブラウザ上で動作するためテストが簡単
コーダーやエンジニアに依頼しなくても、ブラウザを利用してクリックだけでデザインを簡単に変更できます。企業によってはWebマーケティング担当がWeb制作担当に修正を依頼して、そこからシステム担当が修正ファイルをアップロードして…という手間が発生することもあるので。それをすべてカットできるのは大きいですね。
日本語サポート対応
無料のツールと大きく異なるのがサポート機能の有無でしょう。Optimizelyは海外産のツールでありながら日本に販売代理店があり、日本語での手厚いサポートを受けることができます。社内に知見の蓄積がない場合には思いきって有料のツールを利用するのも手といえるでしょう。
利用料金は要お問い合わせ
公式サイト上で公表していないので、興味があれば一度お問い合わせいただくことをおすすめいたします。
ヒートマップの有料ツールならミエルカ
おそらく国内の有料ツールでもっとも人気なのがこのミエルカでしょう。集客に必要な機能とサービスを月額15万円で利用できます(2020年8月現在)。
ミエルカの特徴
CVにつながるキーワードのサジェスト機能
メインキーワードを手がかりに、コンバージョンにつながりそうな別のキーワードを提示してくれるというサジェスト機能が備わっています。メインで据えたキーワードより、それを言い換えたキーワードのほうが一般的でアクセスやCVを見込みやすいということも意外とあるものです。「おすすめ度」として表示してくれるので、同時に広告を打っている際は便利といえるでしょう。
CV改善のために「何をすべきか」を可視化
競合サイトとの比較や、自社サイトに欠けている施策についても提示してくれます。自分たちではなかなか課題を出しきれないときに、こうして課題を見つけてくれるというのは心強いのではないでしょうか。
ヒートマップ機能も網羅
ミエルカはヒートマップツールも搭載しているので、User Heatのようなヒートマップ解析も行うことができます。ミエルカはどちらかというとLPやWebサイト全体を総合的に網羅して次の打ち手を提示してくれるサービスなので、サイト戦略のツールを一元化したいときにはかなり便利になります。
充実のサポート体制
ミエルカは国産ツールでサポート窓口もあり、不明点はすぐに質問することができます。UIも直感的でわかりやすく困ることは少ないですが、コンサルティング的に相談に乗ってくれるというのはありがたいですね。
金額は月額15万円〜
LPに留まらず、自社のWeb戦略全体を管理したいときにはおすすめです。
行動ターゲティング/LPのエリア別出し分けならGyro-n
Gyro-nもミエルカと並んで人気のあるサービスです。LPOの行動ターゲティングだけでなくWebサイト全体の最適化を図ることのできる優秀なツールなので、包括的にWebのコンバージョンを改善したい場合はおすすめです。
Gyro-nの特徴
機能が豊富
LPOだけでなくEFO、SEO、MEOまでも網羅したWebサイト改善ツールです。大規模サイトを1つのツールで総合的に改善したい場合にはとても便利なのではないでしょうか。
行動ターゲティングができる
訪問者の興味・趣味に合わせた最適なコンテンツ・オファーを提示(行動ターゲティング)ができるのが特徴です。「Web接客オプション」と呼ばれていますが、訪問者の属性に合わせてLPのクリエイティブを出し分けることができます。
A/Bテストやヒートマップと比較すると少し高度なLPOになるので、Gyro-nサポートチームに相談しながら設定していくとよいでしょう。
料金:月額4万円台から利用可能
詳細が非公開なのでこちらも興味があればお問い合わせください(別途初期費用)。
まとめ
ツールはあくまで分析や施策を行う手段にすぎません。LPOを行う際はまずLPのどこが課題で改善すべきなのかきちんと把握した上で、最適なツールを選定することが重要です。
CVRだけでなく直帰率や滞在時間などさまざまな数字が関わってきますので、着目すべき数字に注意しながらLPOを進めていきましょう!
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