おすすめLPOのツール8選をプロのマーケターが徹底比較 | 具体的な活用法も解説
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Webサイトのパフォーマンスを最大化して収益を上げるためには、LPO(ランディングページの最適化)の実施が欠かせません。
しかし、LPOを適切に実行するためには、「LPOツール」の活用が必須と言えるでしょう。
なぜなら、Webサイトのパフォーマンスを最大化するには、最適な施策を実行して改善を重ねる必要がありますが、ユーザーの行動やニーズをデータから深く理解することが必須だからです。
本記事ではおすすめのLPOツールを比較して紹介しています。また、LPOツールを使ってできることや、どのような数値を改善できるのか、状況別の有効な施策についても解説しています。
それぞれの特徴やメリット、デメリットを比較して理解することで、自社のWebサイトで実現したい目的に適ったLPOツールを適切に選択することに活用してください。
LPOとは何か?
LPO(Landing Page Optimization)とは、ランディングページのユーザーエクスペリエンス(UX)を最適化し、訪問者がアクションを起こしやすい環境を作るための取り組みです。
訪問者が求める行動としては、例えば商品購入、問い合わせ、ダウンロードなどが挙げられます。
ユーザーがこれらをおこなう確率を高めることで、CVR(コンバージョン率)の向上を目指します。
また、厳密にはCVRの他にも直帰率や滞在時間などといった指標も関わってきます。
SEO(検索エンジン最適化)やSMM(ソーシャルメディアマーケティング)、コンテンツマーケティングといった他の流入数を増やすための取り組みと並行して実施することで、効果的な結果を期待することが可能となります。
最終的には、UXの向上とともにウェブサイトの収益性の最大化に寄与します。
この項目では、LPO自体の必要性や、LPOに優先的に着手するべきタイミングの見極め方、LPOにツールを使う必要性があるのかを解説します。
LPOがなぜ必要なのか?
LPOの実施は、質の高い訪問を増やし、より少ないコストでより多くの収益を上げるための重要な戦略と言えます。
LPを作成することや、SNSやWebメディアを運営することもタダではなく、様々なリソースがかかっているでしょう。
その収益性を高めるためにも、LPOは必ずおこなうべき取り組みといえるでしょう。
本項目では、Webでの集客において、LPOが必要な以下の3つの理由について解説します。
- 苦労して獲得した流入を成果に繋げるため
- CVRを向上させて機会損失を防ぐため
- CPAを下げて広告効果を最大化するため
苦労して獲得した流入を成果に繋げるため
Webマーケティングには、大まかに「流入獲得」と「顧客化」の二つの段階があるという見方ができます。
まずは、SEOや広告、SMMなどの方法でユーザーを自社のLPへと誘導し、流入を獲得します。
次に、流入してきたユーザーを適切に次のアクションへと導き、顧客化するという二つのステップに分けて考えることができるでしょう。
ただし、流入を獲得するだけでは集客は成立せず、LPからの離脱率があまりに高いと成果に繋がりません。
問題は、この「流入獲得」の段階では大量の時間やリソースが投じられるので、「顧客化」ができないと大きな損失となってしまうことです。
これがLPOを実施することが重要な理由です。
「顧客化」のステップにおける精度を上げるにはLPOに取り組むことです。
訪問者が求める行動(商品購入、問い合わせ、ダウンロードなど)を取る確率を高めることで、流入を実際の成果につなげます。
LPOは流入と顧客化の間に位置するため、苦労して獲得した流入を実際の成果に繋げるために必要不可欠な取り組みと言えるでしょう。
CVRを向上させて機会損失を防ぐため
LPに流入したユーザーは、自社が訴求する何かしらのテーマに既に関心がある可能性が高いと言えます。
しかし、適切なテーマで十分な流入があるにもかかわらず成果(商品購入や問い合わせなど)が見られない場合は、本来できていた筈の顧客獲得の機会を損失してしまっているかもしれません。
つまり、そこには何かしらのLPO上の課題が存在している可能性が高いです。
もちろん、全てのユーザーが最終的な成果に至るわけではありません。
一方で、コンバージョン率(CVR)が1.82%を下回っている場合はLPOを実施してCVR改善に取り組むべきかもしれません。
この数値は、Contentsquareによる2021年の調査を根拠としています。
日本を含めた25か国、全業界を対象とした、460億以上のトラフィックを分析した上での数値だそうです。
具体的に考えられる課題としては、LPがユーザーにとって求める行動を取りにくいレイアウトになってしまっている場合や、コンテンツが読者の期待に添えていないなどが考えられます。
これらの問題を放置してしまうと、LP本来のCVRよりも低いパフォーマンスのまま機会損失を発生させ続けることになってしまいます。
ここで大切なのが、ユーザー行動のデータをしっかりと分析し、それをもとに改善を進めていくことです。
LPOを実施する上では、このデータ分析が重要な役割を果たします。
データに基づいてサイトのレイアウトを調整したり、コンテンツを最適化したりすることで、効果的にCVRを向上させ、機会損失を防ぐことができます。
LPを最適化した結果、成果1件あたりにかかった広告コスト(Cost Per Acquisition、CPA)を下げることが可能となり、それは自社の収益向上に直結します。このように、LPOはCVRの向上とともに機会損失の防止という重要な役割を果たします。
CPAを下げて広告効果を最大化するため
ビジネス活動を行う上で最小のコストで最大の利益を上げることは、当然ながら重要な課題となります。
Webマーケティングにおいても、予算をかけて広告を出稿する場合、その広告効果を最大化するためには、1件あたりの成果(CV)にかかった広告コスト(CPA)を下げることが重要です。
特に、リスティング広告やSNS広告などに予算をかけている方は注意が必要です。
広告を出向することによって訪問者を増やすことは可能ですが、訪問者全員が求める行動をとるわけではありません。
したがって、流入ばかりが増えて成果に繋がらなければCPAが高騰し、その広告が赤字になる可能性があります。
ここでも効果的なLPOを実施することが重要となります。
LPOを通してCVRを向上させることは、広告効果を最大化してより多くの収益を上げるために必要な取り組みだからです。
LPの最適化によってCVRを向上させることができれば、訪問者数が同じでもより多くの成果を得ることができます。
結果的に、これはCPAを下げ、広告効果を最大化することに直結します。
このように、LPOはCVRの向上を通じてCPAを抑え、広告効果の最大化を実現します。
したがって、予算をかけて広告をおこなう際には、LPOを確実におこなうことが、赤字を回避し、最大の成果を上げるための重要なステップとなります。
LPOツールを利用した3つの分析手法をご紹介します
実際にLPOツールを活用してCVRの改善に当たるとしたときに、どのようなことから良いのか戸惑ってしまうケースもあるでしょう。ここでは、LPOツールを活用して実現できることを紹介します。
より効果的なクリエイティブを選択できるA/Bテスト
A/Bテストは、2つの比較対象物(Aパターン・Bパターン)を用意して、どちらの方がCVRが高いかを測定するWebマーケティング施策です。LPでいえば、キャッチコピーやメインビジュアルなどでA/Bテストを用いることが多いです。
A/Bテストを行うことで、2つのキャッチコピー、もしくは2つのメインビジュアルでどちらが高いCVRを出すかを比較することができます。小さな改善のように思えますが、この繰り返しがよい数字を出すためのポイントです。A/BテストはLPに限らず、Webサイトの効果改善でよく行われるので覚えておくとよいでしょう。
ユーザーの動きを可視化するヒートマップ分析
ヒートマップとは、ユーザーがどこまでサイトをスクロールしたか、どこをクリックしたかを色の濃淡で可視化できる機能です。簡単にいうと、天気予報における気温のグラフのようなものですね。
ヒートマップは以下の3つのポイントについて調べる際などに用いられます。
- LPのどこがクリックされているかを調べる際
- 縦長になることの多いLPがどれだけ読み進められているかを調べる際
- LPのどの部分が重点的に見られているかを調べる際
ヒートマップを活用することで、ユーザーに読んでほしい部分が適切に読まれているかをチェックすることができます。
また、読まれず直帰されている場合、その原因を考えることでCVRの改善につなげることができます。
ユーザーの分析傾向から逆算する行動ターゲティング
行動ターゲティングとは、ユーザーの過去の行動履歴を利用して適切な情報を表示させる手法です。ただしこれを行うためには、ターゲットの性別や年齢をセグメントした上で、ターゲットに合わせたクリエイティブを準備しておく必要があります。
ターゲットに合う広告を出せるよう設定することで、CVR向上が期待できるでしょう。
LPの状態によって導入すべきLPOツールは変わってきます
冒頭で紹介したように、LPOにおいて改善が必要な指標には様々あり、CVRだけではありません。
例えば、CTAのデザインとしては優れていても、直帰率があまりに高いとユーザーがCTAまで到達しないので成果に繋がりません。
このように、LPによって改善の対象とするべき数値指標は異なります。
改善すべき指標に合わせて分析方法やLPOツールを選択することが重要です。
PVが多いならA/Bテスト優先でベストなクリエイティブを決める
先ほども紹介したA/Bテストは、トラフィックが少ないと優位性が出るまでに数ヶ月とかなり長くの時間がかかります。
逆に、一定数以上のトラフィックが確保できているようであればA/Bテストを実施することですぐに結果が得られます。
そのようなLPがあれば優先してA/Bテストに着手しましょう。
クリエイティブごとに小さなA/Bテストを繰り返し実施することでCVRの改善が見られればLPOができているといえます。
ただし、注意点はクリエイティブを改善したことによる効果と統計的誤差を見極める必要があるということです。
そのような統計的誤差を解消する方法としてA/Aテストというものがあります。
全く同じLPでA/Bテストを実施し、そこで発生した誤差以上に数値に変化があればクリエイティブ変更による有意な結果と見なす方法です。
直帰してしまう原因が分からないならヒートマップ解析でユーザーの動きを確認する
もしアクセスログで直帰率が高くなっていれば、ヒートマップ解析をおこないましょう。
例えばしっかりと読んでほしいボディコピーが読み飛ばされているなど期待どおりにサイトを閲覧されていない場合は、ボディコピーにたどり着く前に訪問者が興味を失っている可能性が考えられます。
また、コンテンツマーケティングに注力しているようなメディアの場合は、目次の中でどこが最もクリックされているのかをヒートマップから確認し、それを記事の上部に移動させるというのも有効な方法の一つです。
より多数の訪問者の興味を惹くコンテンツをより多数の目に触れるようにすることでも直帰率の改善がなされるケースはあります。
クリエイティブやレイアウトを修正してこちらも前後でクリックされやすくなったかなどを測定して比較し、改善を図ってみましょう。
上級者向けのLPOなら、行動ターゲティングツールで細かくセグメントする
こちらは流入キーワードやGoogleアナリティクスのユーザー属性を確認することが前提になります。
ユーザーの属性というのは、主にターゲットの年齢や性別といったセグメントが中心になるでしょう。
あきらかに異なるセグメントで同時に一定の流入があった場合には、セグメントごとに適切な情報を表示させることで、さらなる改善が期待できるでしょう。
例えば、転職などといった男女共通でニーズはあるものの、それぞれのニーズが多様であるようなテーマの場合は検討することで一定の効果が得られるかもしれません。
無料のA/BテストならGoogle オプティマイズ
Google オプティマイズは、Google アナリティクスのようにGoogleが無料で提供しているテストツールです。
無料でありながら豊富な機能を実装しています。
ただし、このGoogleオプティマイズは2023年9月30日をもってサポート終了になる予定です。
公式サイト:https://optimize.google.com/optimize/home/
Google オプティマイズの特徴
URLを変えずにA/Bテストを行うことができる
例えば同じ広告文に対してクリエイティブのA/Bテストを行いたい場合、LPOツールがないとクリエイティブごとにURLを生成する必要があります。ですが、Google オプティマイズを利用すれば同一のURLでA/Bテストを簡単に実行できるという大きなメリットがあります。
コーディングの知識が無くてもOK!
HTML/CSSのコーディング知識がなくてもクリエイティブの差し替えが簡単にでき、アップローダーを経由することがないので、サーバを管理するシステム担当者に毎回申請や依頼をする必要がなくなります。大手企業になるほど恩恵を得られる利点でしょう。
多変量テスト、リダイレクトテスト、詳細な目標・ターゲット設定もできる
多変量テストは一度に複数の要素を検証するのができるので、もっとも最適な組み合わせを見つけ出すことができます。リダイレクトテストは、A/Bテストのような小さな比較ではなくLPを大きく変更したときに効果の変化を見るものです。
また、属性テストも可能です。テストを発動するURLを指定してそこにユーザー属性(URLパラメータ/デバイス/流入元URL/ブラウザ・OS/国・都道府県・市区町村/Cookie/DB上の値/JabaScript変数)を指定することで、特定の属性にテストを実施することもできます。
無料でありながらここまでのA/Bテストを実施できるのって感動しませんか?
無料がゆえのデメリット
初期登録に時間がかかる
初回の登録時は、「アカウントとユーザーの管理」「テストの作成」「Google アナリティクスへのリンク」「オプティマイズプラグインのインストール」など設定項目がたくさんあり、自分ひとりでは完結できず、例えばGoogle アカウントの管理者なども関わることがあります。社内でこれらの作業に詳しい人に協力を仰いで済ませてしまうのが早いでしょう。
登録できるアカウントが1つのみ
1つのGoogle オプティマイズに紐づけることのできるGoogle アナリティクスは1つのみです。基本的にはこれで事足りるので、それほど大きなデメリットではないかと思われます。
Google オプティマイズの具体的な活用例
CVRが低いときに、ボタンのカラーと形を変えて目に入りやすくすることで、CVRが高くなった。
A/Bテストでボタンのデザインを分けて、CVRの変化を検証した例です。LPOツールを使えば同じURLを使いながらボタンを変えるだけでテストを実施できますが、ツールを使わない場合、検証は相当に大変です。
無料ヒートマップ解析ツールならUser Heat
User Heatは月間30万PVまで無料で利用できるヒートマップ解析ツールです。リスティング広告などを実施していてトラフィックが多い場合は分析の難易度が上がるのでご注意ください。
公式サイト:https://userheat.com/
User Heatの特徴
ヒートマップは完璧
ページのクリック箇所・マウスの動き・閲覧場所・離脱エリアといった基本的なヒートマップ解析機能を無料で使用できます。
上述した機能がヒートマップ解析で見る基本的な部分ですが、これらをすべて無料で使えるという、太っ腹なツールです。おそらくこのツールさえあればヒートマップ解析のほとんどは完結できるのではないでしょうか…。
無料のうちにツールのよさを知ってもらって、トラフィックが多くなっても使い続けてもらうというモデルなんでしょうね。
スマートフォンサイトの解析も可能
ボタンひとつでPC/SPのサイト表示を切り替えてそれぞれのヒートマップを確認できます。最近はスマートフォンからの流入も軽視できませんので、アクセスログから流入ユーザーのデバイスを確認しつつ、適宜ヒートマップ解析を行っていきましょう。
無料がゆえのデメリット
30万以上のPVがある場合は有料でないと利用できない
とはいえ、30万PVというのはかなり予算をかけてリスティング広告を打つなど、最初からこの数字を叩き出すのはよほど大きなLP案件になるかと思われます。
念のため広告施策についても確認しつつ、LP立ち上げ時などPVがそこまで多くないときに利用することをおすすめします。
また、ヒートマップ以外の機能を利用することを検討する必要がある場合には、他のツールでヒートマップ解析の機能も同時に利用できるものがないか探すのも手です。
User Heatの具体的な利用例
見られていないコンテンツを整理できる
LPの後半がほとんど閲覧されていないときに、キャッチコピーからリードコピー、ボディコピーの流れを整理することでLP下部にしたボタンのCVRが改善された。というのが一つの例です。
ヒートマップ解析でページ下部が冷え切っていた場合の施策ですね。簡単にいえば「訪問者が途中で読むのを諦めてしまった」という状態が原因として考えられるので、飽きさせないページ作りを試みましょうという解決策が考えられるわけです。
月額8,500円からのヒートマップはSitest
Sitestは有料ツールなのですが、ヒートマップツールは無料で使うことができます。また、最初の7日間はABテストといったあらゆるサポートの無料トライアルを利用することができます。User Heatで物足りなくなったときに、比較ツールとして試してみるのがよいでしょう。
公式サイト:https://sitest.jp/
Sitest の特徴
ヒートマップ解析ツールは無料で利用できる
ヒートマップでは、マウスの位置をリアルタイムで計測し、ユーザーのマウスの滞在時間ごとにヒートマップを生成する機能がついています。特に面白いのが、LPにこの機能のデモがあり、何故か「水着の女性」の写真なのがポイントです。
国産ツールでUIがわかりやすい
この手のツールは海外産でなかなか理解できないことが多いのですが、国産で日本人にとってわかりやすく作られているため、使用方法を直感的に把握することができます。地味にとても有用だったりするので、ツール選定の際は押さえておきましょう。
A/Bテストや行動ターゲティングも一括サポートしています
A/Bテストや行動ターゲティングまでサポートしているので、有料ツールを選定するときにSitestですべてまとめてしまうというのも手でしょう。
サイフに優しい料金体系
月間20,000PVまでは8,500円(税抜)と、個人事業主の方でも利用できるリーズナブルな価格設定が嬉しいですね。
無料の行動ターゲティングならGoogle アナリティクス
Google アナリティクスは言わずと知れた無料アクセス解析ツールです。無料でありながら主要な機能はほぼ網羅しており、初心者から上級者まで幅広く使えるツールです。
公式サイト:https://www.google.com/analytics/web/?hl=ja
Googleアナリティクスの特徴
アクセスログの閲覧と解析
Google アナリティクスは無料ツールでありながら、これ1本で済んでしまうのではないかというくらい網羅的にあらゆる数字を計測することができます。LPに限らず本体サイトと合わせてアクセス解析ができるというというのもポイントで、本体とLPとでユーザー属性を比較しながら施策を打つこともできます。
より高度な分析を必要とする場合は有料のアクセス解析ソフトを導入することになりますが、Google アナリティクスを最大限に活用した上でまだ足りない場合ということになるので、よほどアクセス解析に長けた人材が社内にいない限りGoogle アナリティクスで事足りるでしょう。
Googleが収集したデータに基づいて訪問者の属性を解析できる
訪問者の性別や年齢、居住地域、興味・関心などは本来アクセス解析ツールだけでは推測ができないものですが、Googleがこれまでに収集した超膨大なアクセスログから、ユーザーの行動を解析してかなり高い精度でユーザーの属性まで解析できるという強みがあります。
この属性でユーザーをセグメントした上で行動ターゲティングの施策を行うこともできるので、少し難しいですが担当者は理解しておくとよいでしょう。
無料がゆえのデメリット
問い合わせがフォーラム対応
カスタマーサポートセンターのようなサポートがないので完全初心者が機能を把握するには時間がかかります。
Google アナリティクスの機能に不明な点がある場合、基本的にはヘルプページやフォーラムを活用して解決することになります。有料ツールではサポート体制が充実しており社内で解決できない場合にも安心なのですが、Google アナリティクスは原則、自力でどうにかするほかありません。
基本的な使用方法は市販の書籍やまとめサイトで解決できますが、より高度な利用方法になると得られる情報も減ってくるので注意が必要です。
更新が多いので混乱しやすい
更新が多くバージョンが変わるとUIが大きく変わったりするので戸惑うことも。
Googleの提供するサービス全般にいえますが、バージョンが変わるとUIが突然変わって、「これまでここにあった機能がなくなってる!」「よく探したら別のところに移動してた…」ということが本当にしばしば起きます。ネット上の情報はすぐに古くなるので、公式からの情報をまめにチェックしておきましょう。
Google アナリティクスの具体的な利用例
過去訪問履歴から分析・CVR向上
過去の訪問履歴からLPでの表示要素を変更することでCVRを向上させたという例があります。
すでに自社サイトを訪れてサービス内容を知っているであろうユーザーと、まったく新規のユーザーとで表示内容を変えるという施策が打てます。
サービス内容を知っているユーザーへはサービスの利点よりサービスを利用することで得られるベネフィットを打ち出して、未知のユーザーへはサービスの利点を強く訴求するなどですね。
これひとつでA/BテストもヒートマップもCTAデザイン取得もできるdejam
dejamはこれひとつでLPOに必要なことを包括的におこなえるLPOツールです。
A/Bテストやヒートマップはもちろん、競合の分析やCTAのデザイン改善案を入手できるため、LPOに必要な機能は基本的にほとんど全て備わっていると考えてよいでしょう。
金額も1万PVあたり2000円の価格設定になっており、業界最安値の水準です。
公式サイト:https://leango.co.jp/dejam/
dejamの特徴
視覚的で誰もが扱いやすい仕様
まず、デザインが非常に視覚的かつ直感的であることが重要な特徴です。
例えば、URLを入力するだけで改善案を提案する仕様になっていたり、ノーコードで画面上で簡単に編集できるようになっています。
LPOツールに限らず、ツールを導入したものの利用方法がわかりにくくてほとんど使いこなせていないということはよく聞くでしょう。
そうなってしまうことを防ぐためにも、直感的に操作できるUI/UXは重要な要素です。
包括的な機能装備でLPOを攻略できる
実装されている機能の幅が広いこともdejamの大きな特徴です。
LPOを実行する上で、必須なのはA/Bテストとヒートマップ解析でしょう。
もちろんこの二つの機能は実装されています。
さらに、CTAやクリエイティブの改善案を取得することもできるため、時間がかかりやすい工程を短縮しやすいです。
また、Google Analyticsと連携することでファネル分析も可能となります。
成果を最大化するために、流入元などを比較して改善すべきページを特定します。
こう聞くと、扱い難そうな感じがするかもしれませんが、開始するページと終了するページを選択するだけなので簡単です。
業界最安値の水準の料金設定
これだけの機能を持ちながら、dejamの料金設定はかなり低い水準になっています。
多機能、かつ低価格であることも嬉しいポイントです。
1万PVあたり2000円の設定となっており、これは業界最安値の水準です。
ヒートマップやA/BテストなどといったLPOツールの機能を安価に幅広く利用したい方には向いているLPOツールと言えるでしょう。
dejamの具体的な利用例
リソース不足で着手できなかったLPOを短縮化してCV数170%増を実現
CTAなどのクリエイティブを作成するのにはかなりの時間とリソースがかかります。
そのため、改善策を発案してもそれを実行するまでに時間がかかりすぎてしまうという状況でdejamを活用し、迅速にデザイン変更を実施できるようになりました。
その結果、昨対比170%の成果数が増えるようになりました。
参考:豊富なBtoB向け改善施策の獲得でCVRが170%改善|株式会社プロトソリューション
Web人材の採用なしでCVR改善の施策を量産可能な体制にした
元々、属人的な運用をおこなっていたため、CVR改善などの施策についてのナレッジが蓄積しにくい組織になっていました。
さらに、優秀なWeb人材は採用難易度が高いため、アイデア不足を人手を活用して解消することも困難な状況でした。
CVR改善案を自動で入手できるdejamを活用したことで、新たにWebマーケッターを採用しなくてもアイデアが枯渇せず安定して網羅的な施策が実行できるようになりました。
参考:採用難度の高いWeb人材代わりに CVR改善アイディアの不足を解消|株式会社NTTデータCCS
世界8,000国で利用されるOptimizely
世界的に広く利用されているA/Bテストツールです。
Optimizely創業者のDan Sirokerは、2008年の大統領選挙運動でオバマ陣営の分析ディレクターを務め、A/Bテストを駆使して選挙運動の収益を1億ドル以上アップさせたことでも有名です。
公式サイト:https://optimizely.e-agency.co.jp/
Optimizelyの特徴
ブラウザ上で動作するためテストが簡単
コーダーやエンジニアに依頼しなくても、ブラウザを利用してクリックだけでデザインを簡単に変更できます。企業によってはWebマーケティング担当がWeb制作担当に修正を依頼して、そこからシステム担当が修正ファイルをアップロードして…という手間が発生することもあるので。それをすべてカットできるのは大きいですね。
日本語サポート対応
無料のツールと大きく異なるのがサポート機能の有無でしょう。Optimizelyは海外産のツールでありながら日本に販売代理店があり、日本語での手厚いサポートを受けることができます。社内に知見の蓄積がない場合には思いきって有料のツールを利用するのも手といえるでしょう。
利用料金は要お問い合わせ
公式サイト上で公表していないので、興味があれば一度お問い合わせいただくことをおすすめいたします。
ヒートマップの有料ツールならミエルカ
おそらく国内の有料ツールでもっとも人気なのがこのミエルカでしょう。集客に必要な機能とサービスを月額15万円で利用できます(2020年8月現在)。
公式サイト:https://mieru-ca.com/
ミエルカの特徴
CVにつながるキーワードのサジェスト機能
メインキーワードを手がかりに、コンバージョンにつながりそうな別のキーワードを提示してくれるというサジェスト機能が備わっています。メインで据えたキーワードより、それを言い換えたキーワードのほうが一般的でアクセスやCVを見込みやすいということも意外とあるものです。「おすすめ度」として表示してくれるので、同時に広告を打っている際は便利といえるでしょう。
CV改善のために「何をすべきか」を可視化
競合サイトとの比較や、自社サイトに欠けている施策についても提示してくれます。自分たちではなかなか課題を出しきれないときに、こうして課題を見つけてくれるというのは心強いのではないでしょうか。
ヒートマップ機能も網羅
ミエルカはヒートマップツールも搭載しているので、User Heatのようなヒートマップ解析も行うことができます。ミエルカはどちらかというとLPやWebサイト全体を総合的に網羅して次の打ち手を提示してくれるサービスなので、サイト戦略のツールを一元化したいときにはかなり便利になります。
充実のサポート体制
ミエルカは国産ツールでサポート窓口もあり、不明点はすぐに質問することができます。UIも直感的でわかりやすく困ることは少ないですが、コンサルティング的に相談に乗ってくれるというのはありがたいですね。
金額は月額15万円〜
LPに留まらず、自社のWeb戦略全体を管理したいときにはおすすめです。
行動ターゲティング/LPのエリア別出し分けならGyro-n
Gyro-nもミエルカと並んで人気のあるサービスです。LPOの行動ターゲティングだけでなくWebサイト全体の最適化を図ることのできる優秀なツールなので、包括的にWebのコンバージョンを改善したい場合はおすすめです。
公式サイト:https://www.gyro-n.com/
Gyro-nの特徴
機能が豊富
LPOだけでなくEFO、SEO、MEOまでも網羅したWebサイト改善ツールです。大規模サイトを1つのツールで総合的に改善したい場合にはとても便利なのではないでしょうか。
行動ターゲティングができる
訪問者の興味・趣味に合わせた最適なコンテンツ・オファーを提示(行動ターゲティング)ができるのが特徴です。「Web接客オプション」と呼ばれていますが、訪問者の属性に合わせてLPのクリエイティブを出し分けることができます。
A/Bテストやヒートマップと比較すると少し高度なLPOになるので、Gyro-nサポートチームに相談しながら設定していくとよいでしょう。
料金:月額4万円台から利用可能
詳細が非公開なのでこちらも興味があればお問い合わせください(別途初期費用)。
LPOの実施がまだ不要なケース
適切なLPの改善を繰り返すすることでLPOの効果が現れ、Webサイトによる集客インパクトが高まることが期待されます。
一方で、LPOを実施することによる恩恵を得にくいケースがあるので解説します。
LPやWebサイトへの流入がまだ十分でない
顧客獲得と顧客化のフェーズを考慮すると、「顧客獲得」がまだできていない場合、まずはトラフィックを増やすことに注力することが重要です。
LPOは「率」の改善にフォーカスするため、母数が確保できていなければそのインパクトも小さくなります。
また、CVRを改善するといっても、通常は0.01%から1%単位での向上を目指すため、どれだけの効果が出ているのかがよく分からないままになってしまうこともあります。
そのため、LPOをおこなった効果を正しく計測するためには、最低でも1000以上のセッション(SS)はほしいところです。
例えば、CVRを0.5%から2%に向上させることに成功したケースについて考えてみます。
対象のLPが200SSの場合、成果は1CVから4CVへと3CV分だけ増加します。
一方、対象のLPに10,000SSあった場合であれば、同じCVRの向上でも成果は50CVから200CVへと150CV分も増加します。
こうしてみると、CVRとして見れば同じだけの改善率であっても大きく意味が異なることが確認できるでしょう。
まず、増加したCVが3件では本当にそのLPO施策に効果と再現性があるのか判断しにくいです。
150CVの増加が見られた後者のLPについては、LPOの成果が現れていると考えて問題ないでしょう。
前者のLPでは、まずはセッションを3000に増やすだけで、成果は1CVから15CVへと増えます。このように、LPのトラフィックが十分でない場合は、LPOを実施する前にまずトラフィックの向上に最優先で努めるべきです。
LPOを実施できる人材がいない
LPOは効果的なマーケティング戦略ですが、その実施には適切な人材が不可欠です。
ここでは、LPOを実施する人材にはどのようなスキルが求められるかを解説します。
まず、デザインの広告効果を判断できるスキルが求められます。
特に、ユーザーを求める行動へ導くCTA(Call To Action)のデザイン変更には時間やリソースがかかりやすいので、実行する価値がどれだけあるか判断できることは重要です。
最近では、CTAに使用する画像などを自動で提案してくれるLPOツールなども存在しますが、ユーザーの視線や行動をデザインの観点から理解し、それに基づいてLPを改善できる能力を身につけていくことは必要です。
また、データを分析してその意味を正しく見出せるスキルも重要です。
ユーザーの行動を数字で捉え、その背後にある傾向や問題点を見つけ出すことができる人材は、実施すべきLPOの方向性を明確にし、具体的な改善策を検討できます。
さらに、ペルソナ設定と広告の訴求内容の妥当性を検討できるスキルも重要です。
これは、ユーザーにとってLPのどの点が魅力的な訴求となるか、そしてどのように反応するかを予測するし、後から修正をに大きく影響を与えます。ユーザーの心理やニーズを理解し、それに応じたLPを作成できる人材は、CVRを向上させるうえで欠かせません。
LPOを実施できる人材がいない場合は、外部のサービスに依頼するか、新たに該当のスキルを持つ人材を採用する必要があります。
まとめ|LPOツールは本当に必要なのか?
実際、LPOツールは導入した方が良いのでしょうか?
結論としては、LPOに取り組むのであればツールの導入は必須であると言えます。
たしかに、ツールの導入には追加コストがかかりますが、LPOツール導入の必要性には明確な理由があります。
まず第一に、LPOを実行する上で、あらゆる改善案などの根拠となるデータの取得において、重要な役割を果たしています。
特に、効果的なLPOを行うためにはデータに基づいた施策の実施が不可欠であり、そのためにはツールを通してLPのパフォーマンスを測定することが欠かせません。
また、LPOツールは、ユーザーの行動データに基づいてLPを改善するための手段をも提供します。
例えば、A/Bテストを実施することで、CTAなどの優劣を数値をもとに比較することができます。
また、自動でCTAデザインを提案してくれる機能のあるツールなどもあります。
このようなデータを基にした洞察や改善策の得方は、ツールなしでは不可能と言っても過言ではありません。
ただし、LPOの施策による効果がツールの導入コストを補えないと予想される場合、その時点では導入を見合わせることも一つの選択肢となります。
そういった場合は、トラフィックを増やすことに注力することになるかもしれません。
重要なのは、効果的なLPOの実施に向けたバランスの良い投資戦略を立案することです。
ツールはあくまで分析や施策を行う手段にすぎません。
LPOツールを導入する際は、まずLPのどこが課題で改善すべきなのかきちんと把握した上で、それを解決するのに最適なツールを選定することが重要です。
LPOで改善すべき指標としては、CVRだけでなく直帰率や滞在時間などさまざまな要因が関わってきます。
そういった面でも、LPの着目すべき数字に注意しながらLPOを進めていきましょう!
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