WebマーケティングやSEO施策において、CVR（Conversion Rate）を把握することが非常に重要です。施策のCVRを把握しておくことで、早い段階で改善策を展開できます。しかし、「CVRってそもそも何？」「CVRはなぜ重要なの？」などの疑問をお持ちの方も多いでしょう。

本記事では、CVRの概要や計算方法・CTR（Click Through Rate）との違いを解説します。CVRが重要視されている理由や低い場合の改善方法についても紹介します。

 

コンバージョン率（CVR）とは？

ンバージョン率（CVR）とは、「Conversion Rate」の略称で、日本語訳すると顧客転換率です。例えば、Webサイト上で会員登録を達成目標としている場合、流入したユーザーが会員登録を行なった割合がコンバージョン率です。

コンバージョンは会員登録だけではなく、商品購入・資料請求など、達成目標によって変動します。Webサイトのコンバージョン率を確認することで、どの程度目標を達成しているか把握できます。

さらに、PVやCTRなど、別の数値を同時に確認することで、CVRの割合が高いかチェックできるでしょう。

計算方法

コンバージョン率（CVR）の計算方法は、

コンバージョン数÷セッション数（サイトへの訪問数）×100（％）

で算出が可能です。

例えば、コンバージョン数が100、セッション数が1,000の場合は、CVRは10%となります。

CVRの数値が高ければ高いほど、セッション数に対して目標達成できていることを表しています。ただし、セッション数や目標達成の対象を変更することで、CVRは大きく変動します。どの指標をチェックしたいのか明確化した上で、CVRを計算すると良いでしょう。

 

CTRとの違い

CVRと同じ意味に捉えられがちな指標の一つとして「CTR」が挙げられます。CTRとは、「Click Through Rate」の略称で、日本語訳するとクリックスルー率です。CTRはWebサイト上や検索結果画面で広告が表示された際、実際にクリックされた回数の割合を表します。

CTRとCVRは併用されることが多く、広告の成果を分析することが可能です。例えば、CTRが低くCVRが高い場合、商品や登録内容に魅力があるものの、広告のデザインや訴求方法に問題があることがわかります。このように、CVRとCTRを併用して分析することで、成約率を高められるでしょう。

CTRについてはこちら

CTR（クリック率）とは？平均CTRや意味、計算方法と改善のためのチェックポイントを解説

 

コンバージョン率（CVR）が重要とされている理由

コンバージョン率（CVR）が重要とされている理由は、Webサイトの課題と対策方法を把握する重要な指標だからです。CVRは成果地点の数値となるため、コンバージョンを増加させるためには、必ず把握する必要があります。

また、CVRを分析することで、Webサイト全体の課題を洗い出せます。例えば、CTRが高いにも関わらずCVRが低い場合は、商品価格や会員登録までの流れに問題がある可能性が高いです。コンバージョン率はWebサイト運営やコンバージョンを増加させるには、非常に重要な部分と言えるでしょう。

 

コンバージョン率（CVR）の平均値

引用：MarketingSherpa による業界別のコンバージョン率の平均の調査

 

上記表はMarketingSherpaによる、業界別コンバージョン率の平均値です。コンサルティング・ファイナンスとメディア・出版がCVR10%となります。

Webマーケティング業界において、コンバージョン率は平均2〜3%と言われています。特にCVRは取り扱う商材と業界によって大きく変動します。例えば、CVRの全体平均は2〜3％ですが、金融業界では5%が平均です。

また、CVRは商材と業界だけではなく目標設定によっても変動します。例えば、「無料サンプル申し込み」と「商品購入」では、前者の方がハードルが低いため、CVRが上昇しやすいです。もちろん、目標設定が低ければ売り上げには繋がりにくく、設定地点が高ければ売り上げに直結する可能性が高いです。

目指すべき目的に合わせて、CVRを設定する必要があります。コンバージョン率の平均を把握しておくことで、自社商材に置き換えて数値を算出できるでしょう。

 

コンバージョン率（CVR）が低い場合に考えられる要因

コンバージョン率（CVR）が低い場合、以下のような要因が考えられます。

・ユーザー目線で魅力を伝えられていない

・ターゲットユーザーが誤っている

・取扱商材の市場変化

CVRが低い場合は、自社商材をユーザー目線で魅力を伝えられていない可能性が高いです。ユーザーは商品を納得した上で購入するため、魅力を正しく伝えられていなければ、競合他社に流れてしまいます。魅力を伝えられていない場合は、LPを読んでいる時点で興味をなくすことがあります。本当にユーザーが求めている情報を伝えることが重要です。

また、設定するターゲットユーザーを誤っている場合、CVRが低くなる可能性があります。サイトへ流入するユーザーとターゲットユーザーがかけ離れていると、ニーズが合わないためCVRは低下します。自社商材に適切なターゲット設定を行うことで、CVRを高められるでしょう。

さらに、取り扱う商材の市場は日々変化しています。例えば、日焼け止めを取り扱う場合、夏にかけてCVRが高まるものの、冬場になるとCVRは低下します。市場環境の変化を把握した上で、CVRの数値をチェックすると良いでしょう。

 

コンバージョン率（CVR）を改善方法

コンバージョン率（CVR）を改善する方法は、大きく分けて以下の5つです。

・する際に気を付けるポイント

・適切なターゲットを設定する

・ランディングページ（LP）を改善する

・CVまでの導線を改善する

・コンバージョンの1つ手前のページ（情報入力フォームなど）

それぞれ順に解説します。

CVR（コンバージョン率）を高める際に気を付けるポイント

適切なターゲットを設定する

適切なターゲットを設定することで、CVRを改善できます。ターゲットユーザーと流入したユーザーがかけ離れていると、CVRが得られない可能性が高いです。

例えば、30代女性をターゲットにしている商材にも関わらず、20代男性のクリック率が高ければ、コンバージョンには繋がらないでしょう。CVRをアップさせるためにも、年齢や性別などユーザーの属性を細かく設定して広告を出稿することが重要です。

また、広告出稿のCVRが低い場合は、広告のターゲットを絞る方法も有効です。設定したキーワードとユーザーが検索するキーワードのギャップを減らすことで、ターゲットユーザーのみのアクセスを期待できます。

 

ランディングページ（LP）を改善する

CVRを高める方法の一つとして、ランディングページ（LP）の改善が挙げられます。ランディングページは、コンバージョンへの誘導に特化したページです。ランディングページの内容でユーザーが納得することができれば、高いCVRを期待できるでしょう。

しかし、CVRが低い場合は、ランディングページを読み進めてもらっていない、もしくは正しく訴求できていない可能性が高いです。ランディングページを読み進めてもらうためには、ユーザーが求めている情報を提供し、競合他社の商品とは何が違うのかわかりやすく紹介する必要があります。

また、商品購入者の口コミやメリット・デメリットをまとめることで、ページ自体のコンテンツ内容を充実させられます。ランディングページの離脱時間やヒートマップツールを活用して、客観的に分析した上で改善すると良いでしょう。

 

CVまでの導線を改善する

CVRはCVまでの動線を改善することで、数値の向上が見込めます。ユーザーは、商品の特徴や評判・実際に使ってみた口コミなど、さまざまな情報を知りたいと考えています。単純にユーザーへ伝えたい情報を詰め込んだだけでは、効果的にCVを増やすことはできません。ユーザーが求めている情報を把握し「どのタイミングで伝えるのか」を設定する導線が非常に重要です。

また、コンテンツのボリュームも導線として考えましょう。伝えたい情報をコンテンツに盛り込みすぎて文字数が多すぎると、ユーザーは「結局何が伝えたいの？」と感じてしまいます。そのため、伝えたい情報を厳選し、適切な導線を設定することでCVRをアップさせられるでしょう。

 

コンバージョンの1つ手前のページ（情報入力フォームなど）

CVRを高める方法として、情報入力フォームなどコンバージョン一つ手前のページの改善が考えられます。情報入力フォームなどは、ユーザーがコンバージョンに至るまでの最終地点です。ここでの入力作業が複雑な場合は、適切な導線・コンテンツ内容でも、コンバージョンに至ることはありません。

情報入力フォームでは、できるだけユーザーに入力してもらう内容を無くし、面倒な感覚をなくすことが重要です。さらに、入力必須の部分は色を変える、不要なリンクやキャンセルボタンは無くしましょう。コンバージョンの一つ手前の情報をなくすだけでも、CVRアップに大きな影響を与えられます。

 

まとめ

以上、CVRの概要や計算方法・CTRとの違いを解説しました。CVRは商材の成約状況を把握するだけではなく、Webサイトの課題や改善方法を把握できる重要な指標です。自社が取り扱っている商材・業界の平均CVRを把握し、課題に合わせた改善方法を実施してみましょう。