グロースハッカー徹底解剖|必要なスキル・マインドセット・資格・年収とは?

グロースハッカー徹底解剖|必要なスキル・マインドセット・資格・年収とは?

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    目次

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【復習】グロースハッカーとは

はじめに、グロースハッカーのおさらいです。グロースハッカーとは、自社のWebサイトや商品、サービスを改善することで、獲得した顧客をアクティブ化しビジネスを成功させるスペシャリストです。詳しくは以下の記事で解説しています。

https://cxbottle.com/users/cxeditor01/DuYM6XvnxHnUUV7sS60W

グロースハッカーの定義

グロースハッカーはグロースハックを行う「職業」です。チームにWebディレクターやマーケター、エンジニアやデザイナーが在籍するように、グロースハッカーもその中の一員として含まれます。

グロースハッカーの仕事の流れ

グロースハッカーの仕事は「AARRRモデル」のサイクルを回すことです。マーケターの「PDCAを回す」と同じように考えるとわかりやすいでしょう。

A:Acquisition(獲得)

サイトの訪問状況を確認、数値化し、現状把握を行います。そして目標となる数値を決定し、それを達成するための施策を検討します。

A:Activation(活性化)

ユーザーが主体的に行ったアクションを数値化し、分析し、このアクションを最大化させていきます。

R:Retention(継続)

自社プロダクトやサービスを再度購入してもらうための施策を実施します。ユーザーを、自社に定着した顧客化するステップです。

R:Referral(紹介)

顧客が発信者となり、顧客の家族や友人への紹介による情報の伝播を目指します。

R:Revenue(収益)

サイクルの最終段階です。これまでのステップに細かく調整を行って最適化することで、効果の高い施策へとリソースを集中させて利益率を向上させます。

グロースハッカーとマーケターの違い

グロースハッカーはしばしば「マーケターの上位互換」「マーケターより優れている立場の人」と誤解されがちです。しかし、グロースハッカーとマーケターは担当する領域が明確に異なり、共存関係にあります。

簡単に解説すると、グロースハッカーはプロダクトやサービスを改善して顧客を活性化し継続的な収益を獲得することがミッションで、マーケターは顧客を獲得し市場を広げていくことがミッションです。

マーケティングとの違いについては以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ読んでいただきたい記事になっています!

https://cxbottle.com/users/cxeditor01/QM1eAwjL0qvQIwUfF8OZ

グロースハッカーを深掘りします

グロースハッカーは、よく知らない人にとっては説明を聞いてもあまりピンとこないかもしれません。そこで今回は、このグロースハッカーという職業がよく理解できるよう、深堀りしていきます。

グロースハッカーが企業でなぜ求められるのか?

グロースハッカーは、先述のとおりマーケターとは別の役割を担う存在です。

マーケターは大がかりな施策を打って顧客を獲得し、市場において領域を拡大することに注力しますが、獲得した顧客を自社のファンにして、エンゲージメントを高めていくことは、基本的にはマーケターの担う範疇ではありません。

昔と比べて競合他社がすぐに現れ、またユーザーがインターネットで比較検討を行うことが当たり前になった昨今では、プロダクトやサイトを改善して顧客に自社を選び続けてもらうグロースハッカーの存在は必要不可欠なのです。

グロースハックはチームで行うって本当?

グロースハックはグロースハッカーという担当がひとりで行うこともありますが、グロースチーム・グロースハックチームという専任のチームが担当することもあります。このあたりは事例を読んでみてください。

https://cxbottle.com/users/cxeditor01/YecrygWOlj8Y2uMJyO9E

グロースハッカーの年収

大手転職サイトのDUDAによると、グロースハッカーの年収は400万円〜800万円が多く見受けられます。エンジニアやマーケターと同等以上の給与レンジですね。

注目できるポイントとしては、グロースハッカーはいわゆる「機械やAIにとってかわられる」職種というより「機械やAIを活用する」職種ということですね。

知識のアップデートやAIの活用方法を模索しつづけるマインドセットを持つことで、希少性の高い人材として年収以上の価値を発揮できる職業です。

【スキル編】グロースハッカーに必要な能力

ここからは、グロースハッカーに必要な能力を解説していきます。これを読んでいただくと、マーケターとの違いがあきらかにわかるはずです。

統計学の知識(=一番重要な能力)

グロースハッカーにとって一番重要な知識ともいえる、統計学。グロースハッカーの業務は「分析」がベースとなります。数値やデータといった客観的な指標をもとに分析を行い、改善にあたっての意思決定を行う必要があることから、統計に関するスキルは必須です。

ただ、統計と一言でいっても何をどこまで知っておくべきかわかりにくいので、グロースハックで利用する主な分析手法を以下に挙げます。

コホート分析

ユーザーをグルーピングし、それぞれの行動や定着率を調査する分析です。「同じ時期に似た経験をしている集団」を意味する「コホート」という言葉がもとになっています。

コホート分析によって、どんなユーザーがどのくらい継続してサービスを利用しているかを知ることができます。新規顧客は多いがリピートはどうか…という状況を調べる際に使用することになります。

ファネル分析

ファネル分析とは、ゴール(商品購入や会員登録)に至るまでの各プロセスにおける離脱率を測定し、どのプロセスで離脱率が多いかを調査する分析です。

日本語で「漏斗(ろうと)」を意味する「ファネル」はマーケティング用語でもあり、逆三角形や下向きの円錐で表されます。定めた目的に対してユーザー数が絞り込まれていく様子を漏斗に例えたわけです。

例えば商品購入がゴールだとすると、サイト訪問→商品詳細→カートに入れる→決済、とプロセスがざっくり分けられます。

ここでファネル分析によって「カートに入れる」プロセスでの離脱率が多いようであれば、いわゆる「カゴ落ち(商品をカートに入れたまま購入せず離脱してしまう状態)」が発生していることがわかります。したがって、現状ではカゴ落ち対策を行うべきだと判断できるわけです。

回帰分析

回帰分析は、「結果」となる数値と「要因」となる数値の関係を調べて、それぞれの関係を調査する分析手法です。統計的手法としてはメジャーな分析ですが、あえて学ばないと日常で触れることはないので、慣れないうちは少し苦戦するかもしれませんね。

目的とする変数(ゴール)に対して、特定の変数(要因)に強い相関関係が見られる場合、こうした回帰分析を用いて成長のパターンが予測できます。

SNSを例とすると、目的の変数(ゴール)がユーザーのアクティブ率で、特定の変数(要因)には投稿数やいいね数、フォロワー数などが挙げられます。回帰分析によってどの要因が大きな結果をもたらすかを知ることができるというものです。

プログラミング能力

プログラミングスキルが必要といっても、グロースハッカーが実際にプログラミングをするわけではありません。

どちらかというと、WebサイトやWebサービス、アプリを改善する際に、「課題となっている部分は何によって動作しているのか」「改善するために何を修正すればよいか」がわかるようにするための補助的知識だと考えてください。

これらの知識を持っておくと、すべきことをまとめて然るべき担当へ迅速に依頼できるようになるため、チームを先導できるようにもなります。

グロースハックで利用する主なプログラミング言語は、PHP、Ruby on Rails、Pythonの3つです。

PHPはこれら3つのプログラミング言語の中で(前身的な言語を含めると)もっとも歴史が深く、今もWebサービスにおいては現役で使われています。また、WordPressもPHPで動作していますね。動的なWebページを制作する際にしばしば用いられます。

Ruby on Railsは、Webアプリケーションを構築する際に用いられるプログラミング言語です。有名なものではTwitterやクックパッドなどが挙げられます。後述のPythonと並んで、プログラマーを目指す人には人気の高い言語で、学ぶ人も多くいます。

そしてPythonですが、こちらも歴史の古い言語で、やはりWebアプリケーションの構築に用いられます。YouTubeやDropBoxはPythonベースですね。

プログラミングは考え方と基礎的な部分を知っておくとスキルの横展開ができるので、ぜひ学んでみてください。

https://cxbottle.com/users/cxeditor01/IwfrNXKU6LelJG6Arzy0

Excelの運用能力

表計算ソフトであるExcelはデータ分析において多用されるため、こちらもマストなスキルです。データの抽出、集計、分析、さまざまな場面で応用が利くため、ぜひマスターしておきたいですね。

グロースハックでは関数やマクロのほか、ピボットテーブルを使う場面が多くあります。ピボットテーブルはExcelの中でもっとも優秀な機能とさえいわれるほどで、複雑な集計を簡単に行うことができます。さまざまな数値を扱うグロースハッカーには欠かせません。

SQLスキル

SQLとは「データベース言語」のひとつで、データベースを定義・操作する言語です。

Googleアナリティクスなどのアクセス解析ツールでは、グロースハックに必要なデータのすべてを入手できません。そこで、データベースから直接データを取得して分析を行う場面があります。

スクレイピング能力

スクレイピングとは、Webからデータを抽出して格納や分析が可能な構造化データへと変換するための技術です。

  • 求人サイトに掲載されている求人情報を収集する

  • 自社サイトや競合サイトの検索順位を収集する

  • ECモールから商品や価格、商品レビューなどを収集する

上記のような場合にスクレイピングが用いられます。これらのデータ収集と分析もグロースハックの範疇です。

ABテストを実行する能力

グロースハックといえばA/Bテストというくらい、A/Bテストを実行するスキルは必須です。A/Bテストは、サイト内の同一の要素、例えばキャッチコピーの文言やボタンのデザインを比較検証する際などに用いられます。

Webマーケティングの知識

グロースハッカーとマーケターは別と述べたものの、かなり密接な距離にあるためWebマーケティングを理解しておくことも重要です。アクセス解析や運用型広告、SEO対策などはグロースハックにも大きく関わってきます。

【マインドセット編】グロースハッカーに必要な能力

グロースハックには、「ABCDE」という資質が必要といわれています。

ABCDEのフレームワークで説明することができる

「ABCDE」は5つの単語の頭文字で、順に「Analyticity(分析的)」「Broad interest (広い好奇心)」「Creative(クリエイティブ)」「Discipline(規律)」「Empathy(共感)」です。

分析的思考、視野を広げる好奇心、クリエイティブな思考、地道な検証を繰り返し行っていく規律性、ユーザーの視野でサービスを捉える共感力、ということですね。

【資格編】グロースハッカーに必要な資格

グロースハッカーになるために、資格取得は必須ではありません。しかし、上述のスキルを習得する過程でその裏付けとなる資格を取得しておくと、転職時に有利になるでしょう。

システムアーキテクト

いわゆる「システムエンジニア(SE)」の資格といわれています。システム開発の上流工程を主導できることを証明できます。

プロジェクトマネージャ

こちらは「PM」と呼ばれます。プロジェクトの全体計画を作成し、人員や資源を確保し、予算やスケジュール、品質などの計画に基づいてプロジェクトを実行・管理するためのスキルを証明できます。

ITストラテジスト

システム開発の超上流工程において、企業の経営層とともに事業戦略や事業計画の段階から参画できるスキルを証明する、かなり難易度の高い資格です。外資系大企業やコンサルティングファームなどを目指すのであれば取得を目指してみてもよいかもしれません。

グロースハッカーになるための方法

ここまでグロースハックに必要なスキルやマインドセットをお伝えしましたが、何から手をつけていいか迷ってしまうかもしれません。そこで、近道と思われる方法についてもあわせて解説します。

Webマーケティングの責任者になる

Webマーケターからグロースハッカーに転身するのは比較的スムーズです。離職する必要もなく、年収を下げて新たなフィールドでチャレンジすることもないためリスクも低く済みます。

また、責任者レベルになっておけばプロジェクトを推進するスキルも身につけられるでしょう。Webマーケティング職の場合はプログラミングやSQL関連の業務に触れる機会が少ないため、その部分は自主的に強化してみてください。

自分でWebサービスを作ってマーケティングも行う

ハードルはかなり高いですが、必要なスキルを総動員するため高い能力を身につけられるでしょう。開発したWebサービスを就職活動のポートフォリオにしてもよいですし、もし十分に収益化できれば、副業やそれ以上の可能性も秘めています。

ただし、まったくの未経験からWebサービスを開発するのは現実的ではなく、Webマーケティング、プログラミング、UXデザイナーなどの領域である程度のスキルを持っていることが望ましいといえます。

マーケティングベンダーに転職

自社事業に専念するより、ベンダーとして複数のクライアントのプロジェクトに参画するほうが経験値は確実に増えます。さまざまな商品やサービスに触れることができ、応用力も身につくでしょう。

なお、Web広告の代理店だと運用広告を回すことが多くマーケティングの考え方に触れる機会が少ないため、SEO対策やソーシャルマーケティングなど、マーケティングの実務部分を事業として行っている企業への転職を目指しましょう。

グロースハックに携わるためにやっておくべきこと

ここまで読んでいただいてなんとなく察しているかもしれませんが、グロースハッカーは一朝一夕でなれる職業ではありません。

多岐にわたる領域で高いスキルレベルの求められるジェネラリストなので、Webマーケターやプログラマー、UXデザイナーなど、スキルが関連する職種をひとつ、十分にできるようになってからグロースハッカーを目指すのが理想です。

はじめはグロースハッカーに関する知識をインプットしておきましょう。時間のあるときに学びを深めておくだけでも距離は短くなります。

https://cxbottle.com/users/cxeditor01/B1TjlKIJDq7waUQgGVSJ

また、グロースハッカーの求人情報も随時チェックしておくと、訪れたチャンスをつかむことができるかもしれません。また、スキルが成熟していなくても、市場の動向を把握しておくと、どのようにキャリアを積んでいくべきかの指針になります。

https://cxbottle.com/users/cxeditor01/myMTauJOQ82SuxhrADMK

まとめ

グロースハッカーはおそらく「最強のジェネラリスト」のひとつであるといっても過言ではないでしょう。ハードルはとても高いですが、地道にスキルを身につけて経験を積んでいけば決して夢の職業ではありません。

ビジネスを大きく左右し、成長のカギとなるグロースハッカーに、あなたもぜひチャレンジしてみてください!

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