認知的ウォークスルー『マイナビ転職編』

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    目次

無料で改善案も入手できるLPOツール「dejam」。ヒートマップ、Web接客、プロジェクト管理、改善ナレッジなど盛りだくさん!

はじめに

はじめまして。

改善太郎です。

今日は普段から、色々なサイトのUX改善を担当している私が、とある架空のペルソナになりきって認知的ウォークスルーに取り組んでみたいと思います。

読んでいる皆さまもペルソナになりきったつもりで、一緒にサービスを体験してみて、課題に思うところを一緒に見つけていきましょう!

認知的ウォークスルーとは

いきなり、認知的ウォークスルーとか言われても?

となってしまう方もいるかと思うので、まずは簡単に認知的ウォークスルーとはなにかから説明することにしましょう。

認知的ウォークスルーとは、ユーザビリティ専門家が、ターゲットユーザーになったつもりで評価対象のサイトを閲覧/操作してみることによって、様々な問題点を指摘する手法です。

引用元|Website Usability Info

「認知的ウォークスルー」でグーグル検索すると、上記のような説明が出てきます。

例えば今回でいうと、対象サイトを「マイナビ転職」にしているので、転職希望者になりきって専門的な観点も交えながら、改善ポイントを見つけましょう!という企画です。

普段のお仕事の場合は、定量的なデータや、定性的なユーザー調査を実施した上で、ペルソナを設定するのですが、今回は経験を活かしつつも、基本は妄想でやってます。

ぶっちゃけ実際に転職サービスを担当している人が見ると「そんな人いないぞ!」って怒られてしまうかもしれないのですが、どちらかというと「そういう考え方でサイトって改善するのね!」って感覚で見て頂けると嬉しいです。

では、早速ペルソナ設定からスタートです!

今回のターゲットペルソナ

性別 | 男性

年齢 | 20代中盤

転職回数 | 0回(今回の転職が初めて)

希望業界 | IT業界

希望職種 | 営業

希望年収 | 500万円前後

希望エリア | 埼玉(自宅周辺を希望しているが、関東圏なら許容範囲)

こんな感じの人になりきってやっていこうと思います。

初めての転職なので名前は「はじめさん」でいきましょう。

(ペルソナには、特徴がわかりやすい名前を付けておきましょう♪)

認知的ウォークスルー開始!

初めての転職活動ということで、Googleで「転職」と検索。

新卒の時もお世話になって名前を知っていた「マイナビ転職」をクリック

トップページは新卒の時に見たことがあるマイナビの文字で少し安心感を持ちつつ、まだ転職活動どころか、興味のある「IT業界」にどういう会社があるかもよくわかっていないので、一旦フリーワード検索に「IT業界」と入れて検索してみよう。

次に、今自分は営業職なので、基本的には営業経験を活かした転職になるだろうということで、職種のところから営業で絞り込むことにしよう

営業の細かい分類はよくわからないので、一旦「営業すべて」で検索してみた。

90件か、意外とそこまで求人が多いわけじゃないんだね。

次は、勤務地かな。

自分は埼玉の自宅近辺で働きたいから、一旦「埼玉県すべて」で検索。

検索結果9件は少ないな、、
正直、自宅近くであればいいので、東京に出るとかは大丈夫なんだけど、この検索方法だと自宅周辺のエリアは絞込みにくいな。。

課題①:検索結果が少ない(適切な勤務地で絞込みが出来ない)

まずは、この検索条件で調べることにしよう。
今はまだ特に明確な軸もないし、上から順に見ていくことにしようかな。

上から一つ目は「マイナビ」だ!マイナビもIT業界なのかな?
知ってる名前だから、具体的な仕事はわからないけど、詳細を見てみよう(クリック)

大きな写真が目に付くからまずは見てみよう!

社員の写真と、オフィスの写真の2枚だけじゃどんな仕事なのかよくわからないな。

課題②:メイン画像が不適切で求人概要がわかりにくい

画像の下にはいくつかタグっぽいのがあるけどなんで「人材バンク登録」だけ色が付いているんだろうか。
他のタグも突然ここに表示されていてわかりにくいな。

課題③:特徴タグがわかりにくい

とりあえず、下まで読んでみようか。

この「+」マークはなんだろう。どういう動きをするかわかりにくい。
もしかしたら、気がつかずに進んでしまうかもしれない。

課題④:アコーディオン機能がわかりにくい(クリックされにくい)

仕事内容を読んでみる。
文章ばかりでわかりにくい中で、一応読み進めてみるものの、どうやら自分が求めているようなIT業界とは違うみたい。
一旦検索結果一覧に戻ってみよう。

課題⑤:検索結果が不適切(ロジックに問題がある)

上から順番に見ていくと、なぜかマイナビの求人が3つほど並んでいる。。
どれも違いが物件一覧上からはわからないけど、きっとどれも自分にはあっていないだろう。

課題⑥:検索並び順(ソート)が不適切

この求人はITって書いてある。営業じゃなくて事務だけど、ちょっと見てみようか。

なんかさっき見たページとページの構成が違うな。色々な種類があって見方がバラバラだと、サイトとしては使いにくいな。。

課題⑦:サイトの構成がバラバラ

とはいえ内容はとって気になるから見てみよう。
IT業界未経験な自分でもこれなら、始められるかもしれない。
お!下までスクロールしていたら、何か出てきた。「気になった求人は保存!」?
確かにこの求人は興味が持てたから、まずは一旦下にある「気になる」ボタンをクリックしてみよう。

急にログイン画面が出てきた。。
お気に入りに追加したかっただけなのに、なぜログインが出てくるのかわからない。。会員登録しないとお気に入り機能も使えないのか。
まだ情報収集段階なので、このタイミングで会員登録を求められるのは少し厳しいな、、会員登録をすることで、なんか余計ない連絡とかも入ってきてしまうかもしれない。

課題⑧:唐突なログイン画面(会員登録しないとお気に入り機能が使えない)

仕方ない。会員登録して使うか。と思ったものの、画面上にはログインばかりで新規課員登録の導線がない。。これでは会員登録もできないな。。

課題⑨:新規会員登録画面の導線がわかりにくい
一旦会員登録は諦めて、もう少し詳細情報を見ていくことにしよう(下スクロール)

やっぱりこの求人は自分にあっている気がする。

でも少し気になるところもあるし、話聞いてみたいな。と思ったら「質問する」ボタンがあるじゃないか!ちょうどよかった。ちょっと気になる点を正式な応募の前に聞いてみよう。

またこの画面か。。まだ情報収集段階で正式な転職活動スタートではないし、応募はハードルが高いから質問したかっただけなのに。。

課題⑩:情報収集のハードルが高い(何をするにも会員登録が必須)

せっかく興味を持てた求人が見つかったけど、まだ実際に転職するフェーズではないし。。

マイナビ転職はもう少し本気で転職を考えている段階じゃないと使えないみたい。。
もう少しライトに情報収集ができるような別の転職サイトを利用することにしよう。(サイトから離脱)

振り返り

いかがでしたでしょうか。
今回のように、まだ本格的な転職活動を開始した訳ではなく、転職活動初期のカスタマーにとっては、マイナビ転職のような会員登録を前提とするサービスは利用のハードルが高く、うまく使いこなせていないようですね。

また、今回は検証のために、無理やり最後のCV導線までたどり着かせましたが、初期の検索結果があまりにもカスタマーの閲覧したい情報とはかけ離れており、彼のようなIT業界を勉強したい層には、検索結果としては不適切な求人が出てしまっていたようです。

多くのサービスでは、検索結果の3~5番目位までには、カスタマー自身が見たい情報が出てこないようだとすぐに離脱してしまうので、今回は検索結果一覧の段階で大きな課題があったように感じました。
(もう少し明確な軸があったりすると、検索結果も異なるのかもしれません)

この後はどのように進めていくのか

今回は想定カスタマーを仮に設定し、プロダクトの課題の洗い出しを目的に認知的ウォークスルーを実施してみました。

この後の工程としては、(本来はこの前にカスタマー調査がある)
①定量分析で裏付けを取る
┗N1〜N5くらいで出てきた定性課題が事業やプロダクトのKPIに対してどれだけのインパクトを与えるのかを調査します。
②課題設定の中での優先度を決める

┗出てきた課題を定量データで振り返ることで、課題を持っているカスタマーの量や、その課題の大きさを見立てて、KPI貢献度の高い「解決すべき課題≒イシュー」を定義しましょう

③ターゲットカスタマーにとっての理想の体験を定義しましょう

┗事前のアンケート調査があるなら、その情報をベースにしたり、実際にカスタマーに聞いてみたりしましょう。もしないのであれば、定量データからサイト上のCVに直結する動きを見つけることで仮説を立てることも可能です

④課題を解消する打ち手の洗い出し

┗ここの工程はあくまでも思考の発散フェーズです。自分なりに理想と現実のギャップを埋める為の解決策のアイデアを考え尽くしてみましょう。競合サービスを見たり、同形式のメディアから事例を集めるのも有効です。

⑤解決策の優先度決定

┗出てきた施策の中から、一番効果の改善幅が大きいものから順に着手していきましょう。定量的に見立てられるものは、見立てつつ、最終的には試してみないとわからないということもあると思うので、改善幅が同じくらいであれば、開発工数が少ないライトなものからチャレンジして、まずはファクトを集めるというのも良いと思います。

実際の解決策を知りたくなった方

今回は初の試みということで、認知的ウォークスルーを行ってみました。

もし、今回の内容が参考になった!解決策編も知りたい!という風に思っていただけましたら、是非下の「この記事を評価する」を押して応援してくださいね!

今後も他のサービスのウォークスルーにもチャレンジしていきたいと思ってますので、またお会いしましょう!

今回ご紹介したサービス

◆マイナビ転職

https://tenshoku.mynavi.jp/

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